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2011年8月28日 (日)

北國新聞 土曜日 の朝刊 から・・・

北國新聞社様

勉強になりました!

感謝いたします!!

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北陸の清酒メーカーが、

韓国への輸出拡大に動き出した。

東日本大震災後の輸入規制で

日本酒需要が一気に冷え込んだ中国に対し、

韓国では日本酒ブームで逆に需要が急伸している。

国内では「東北応援」効果で日本酒が見直され、

需要が持ち直してきているが、

震災の影響によるコメの高騰が大きな懸念材料となっている。

 「中国への輸出はずっと止まったまま。全く駄目。

  最近は輸出商社からの注文もない」。

白山市内の酒造経営者がこう嘆く。  

中国では震災直後から、

福島第1原発事故による食品の放射能汚染問題で

日本食品の輸入規制が続いている。

台湾や香港からは震災前と変わらぬ引き合いがあり、

中国でも特に上海や北京への輸出が困難だ

とするメーカーの声は多い。  

15カ国ほどに輸出する車多酒造(白山市)は、

主要相手国である中国の低迷が

「一番の悩み」(車多一成専務)だ。

震災直後は欧米など中国以外でも輸出量が激減したが、

既に回復し、前年並みか微増だという。

車多専務は「早く元の状態に戻ってほしい」とため息をつく。  

低迷する中国の代わりになりそうな輸出先が韓国だ。  

吉田酒造店(白山市)によると、

韓国では最近、日本食の居酒屋が増え、

食事に合わせて日本酒を提供する店が多くなった。

吉田隆一社長は

「韓国の若者が日本酒をよく飲んでいるらしい」と話す。

車多酒造も、韓国への輸出量が昨年に比べて

「かなり増えている」(車多専務)という。  

財務省の貿易統計によると、

日本酒の韓国向け輸出量は、

2010年が約2589キロリットルで、

10年前の65キロリットルから桁違いに伸びた。

今年1~6月では1413キロリットルと、

前年同期比14.6%増となった。  

福光屋(金沢市)も韓国からの引き合いが増え、

今年1月に韓国の一流ホテルで

現地料理と自社製品を楽しむイベントを開催。

好評だったため、今後も同様のイベントを続け、

韓国での受注増につなげたい考えだ。  

鹿野酒造(加賀市)も

「韓国への輸出増に力を入れたい」と意気込む。

福井県酒造組合によると、

福井県内のメーカーでも

韓国への輸出量を増やそうとする動きが出ている。  

とはいえ、海外は売り上げ全体の1割未満

とするメーカーがほとんどで、やはり9割以上は国内だ。  

その国内市場は震災直後は激減したが、

6月には回復し、

日本酒需要が落ち込むはずの夏場にむしろ増加傾向にあるという。

富美菊酒造(富山市)では、

1~7月は前年同期比2割増となった。  

背景には、震災後から被災地以外で行われた

「東北応援」が影響しているようだ。

石川でも積極的に東北の日本酒を販売する小売店が現れ、

今も売り場に東北の日本酒が並ぶ店舗がある。  

当初は「東北が売れる分、北陸の酒が割を食う」などと

懸念するメーカーが多かったが、

「東北の日本酒を飲んだ人が日本酒のうまさを再認識し、

焼酎やリキュール類から宗旨替えする動きがある」という。  

福光屋は7月下旬から、

自社製造の日本酒で作るカクテルのオリジナルレシピ

をホームページ上に掲載している。

若い女性など新規の需要獲得を狙う。  

「東北応援キャンペーンが思わぬ効果、

バタフライ効果をもたらし、

日本酒に興味を持ってもらうとともに、

地域の食や文化を見直すきっかけになったのではないか」。

福光屋の福光松太郎社長はこう分析する。  

実際、石川の観光地や土産売り場で

地酒を買い求める観光客が増えたという。

石川県酒造組合連合会などが

9月9日から売り出す日本酒「ひやおろし」の受注数は

1万5842本で、昨年同期に比べ約3600本伸びた。  

目下、業界最大の懸案は、コメの放射能汚染問題だ。

東日本でコメ不足が起き、

コメが高騰する可能性が指摘されている。

多くの酒造経営者は

「酒米が高騰するかもしれず、

仕入れコストが上がってしまう」と不安視する。  

また、輸出では円高で現地価格が上昇し、

日本酒離れにつながらないか心配する声も多い。

福光社長は「今の日本酒の勢いをそいでしまう」と話す。  

金沢国税局によると、

北陸の清酒消費量は2009年度まで14年連続で減少した。

ようやく国内外の市場とも明るい兆しが出てきたが、

果たして日本酒復権はなるのか。

各メーカー、そ

して業界そのものが今後の浮沈を決める分水嶺に差し掛かっている。

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